河津桜と天城山

春を先取りして伊豆の小さな町に、花色の美しい「河津桜」が咲く。
毎年2月の下旬に見頃を迎える河津桜だが、今年は遅れて開花した。

河津桜

花はソメイヨシノよりも大きく、また赤味が強く見栄えがする桜だ。
それもそのはず、この桜は寒緋桜と大島桜の自然交配種なのだ。

咲き始めの花は中央部分が白く、外側へと紅を増して味わいがある。
雄しべも白いが、満開を迎えると花色は均一化され雄しべも赤く変わる。

ひと口に桜と言っても、それぞれの桜にそれぞれの個性がある。
微に入り細に入り観る力があれば、もっと桜を楽しむことが出来だろう。

天城山登山口

毎年、この桜の開花に合わせ「河津桜と天城山」のツアーが出発する。
数日前には関東平野にも雪を降らせる寒波があったばかり、
登山口からすでに20センチほどの積雪だった。

アセビの葉

登山開始は午前8時半、気温はそれほど低くはなく風も無かった。
1時間も登ると登山道の脇は冬が造った芸術作品が並びだした。

これはアセビの葉に付いた霜。 霜は風上へと伸びていく。
通称「海老の尻尾」と言われるものだが、何と繊細で美しいことか。

ツツジの枝

こちらはツツジの枝に付いた霜。 おそらく「アマギツツジ」か?
こんな細い枝に5センチもの霜がきれいに並んでいた。

ガラス細工のような感じを受けるが、枝を揺らしても簡単には落ちなかった。
谷から吹き上げる冷たい風が夜通しコツコツと緻密に造り上げたものだ。

アセビのトンネル

天城高原ゴルフ場から天城山頂への往復は6時間ほどだが、生憎の曇り空と
このコンディションで日曜日にもかかわらず登山者は3~4組だった。
アセビのトンネルもご覧の通り。 アマギシャクナゲの花芽も少なかったような。

春先、太平洋側の裾野や御殿場に雪が降りびっくりすることがよくある。
これは春先になると低気圧が南側を通るためで、春の前触れだ。

冷たく白い森であったが、啄木鳥のドラミングが聞こえていた。
鳥たちはもう春を迎える準備をしているのだろうか。
「霜の華」ではなく「香る花」が見られるのももう少しだ。



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プロフィール

杉浦直樹

Author:杉浦直樹
『自然塾』塾長の杉浦直樹です。
日本自然保護協会
自然観察指導員

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