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2015年 夏山

今年の夏は連日の猛暑にうんざり、日本の夏はこんなにも暑かったか。
オニヤンマを追いかけクワガタを探して遊び回っていた子供の頃、
夏休みはこんなにも暑くはなかったように思う。

地球温暖化のせいで日本列島は年々暖かくなっているのか。
はたまた、体力が衰え暑さに追いついていけなくなったのか。
う~ん、後者はあまり考えたくないなぁ。

DSC01573.jpg

大人になって迎える夏はいつも山へと逃避行。
先日は3泊4日で加賀白山と西穂高岳へと出掛けた。

加賀白山と西穂高岳? 
妙な組み合わせと思われるだろうが、この二座は意外と近い距離にある。

初日は白山、別当出合から砂防新道を登り室堂山荘に泊まった。

DSC01579 (1)

7月の前半は梅雨や3つ続いた台風で雨の日が多く何本かの山行が流れた。
梅雨が明けてからはずっと晴天続きで僕たち登山者たちを喜ばせている。

白山に登るのは何年ぶりだろうか。 
ガイドを始めた頃は毎年のように花の案内役を務めた。
この山は日本海に近く天候の悪い日も幾度かあった。 しかし、今日は快晴である。

DSC01580 (1)

標高2450mに建つ室堂山荘より見る御嶽山。
思っていた以上に高く水蒸気が昇っていた。
自然は美しさばかりではなく怖さも潜んでいる。

そんな御嶽山を横目に白山御前峰を目指す。

DSC01582 (1)

午前7時30分、白山の最高峰・御前峰2702mの頂に立つ。
あまりの天気の良さに気を良くして登頂後もお池めぐりをする。

白山は高山植物の宝庫、ハクサンコザクラ、クルマユリ、シモツケソウなど
出会う花ひとつひとつに挨拶するかのように、じっくり見て巡った。

さて、ここでひとつお勉強。
下の2枚のクロユリの写真を見て何か気づくことはないだろうか?

DSC01604.jpg

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1枚目のクロユリは雌しべと雄しべを持つ両性花。
2枚目のクロユリは雄しべだけの花、気づいたかな?

2枚目の雌しべを持たない花は当然のことながら結実できない。
では、なぜ雄しべだけで花を咲かせるのだろう。

植物は自家受粉を繰り返すと繁殖力が衰える。
他の血を入れることで強くなれる。

雄しべだけの花はクロユリという種の存続のために咲いている。
自然界に無意味なことは何ひとつないのだ。

DSC01584.jpg

こちらは足下に咲いていたヨツバシオガマの変種で、クシバシシオガマだ。 
花の上唇が鳥のクチバシ状に長く伸び、その部分の花色が濃いのが特徴。

動物にしても植物にしても生物には「生存」と「繁殖」という2大テーマがある。
自然界は弱肉強食の世界、まず優先されるのは生き残ること「生存」で、
次に自分の子孫を増やすこと「繁殖」が重要となる。

クチバシシオガマも他と違う形を選んだのは僕たちには想像できない
何か理由があるのだろう。

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下山は同じ道を帰らず、黒ボコ岩から観光新道を下ることにした。
駒ヶ池小屋の手前「馬のたてがみ」辺りに高山植物が多く見られるからだ。

ここにはたくさんのカライトソウ、ハクサンシャジン、タカネマツムシソウなどを
見ることが出来る。 ただし、急坂なので登りには使わないほうがいいだろう。

たくさんの花に魅了され午後2時、別当出合に無事下山した。

DSC01605.jpg

白山は石川県と岐阜県の県境に位置する。 
その北側には日本屈指の山岳道路「白山白川郷ホワイトロード」が走る。
馴染みのない名前だが旧の名は「白山スーパー林道」である。
これを使えばすぐに岐阜の白川郷へと入ることが出来る。

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世界遺産である合掌造りの集落は白川郷、菅沼地区、相倉地区と主に3つある。
今回、僕たちは五箇山の相倉にある合掌造りの民宿に泊まった。

合掌造りと呼ばれる家屋はこの地方だけの形式で雪深い土地ならではの
強固な造りと生活と作業場をひとつにした合理的な建築だそうだ。

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数年前にも合掌造りの民宿に泊まったことはあったが、黒光りした太い大黒柱に
どっしりとした梁、これが釘ひとつ使わず建てられているのには驚愕であった。

囲炉裏の炭火で時間をかけて焼いたイワナは骨まで軟らかくとても美味であった。

DSC01644 (1)

翌朝、五箇山から菅沼集落に寄り高山へ、そして新穂高温泉へと移動。
ロープウェイはたった7分で僕たちを標高2156mの稜線へと運んだ。

西穂山荘

3泊目の宿・西穂山荘の朝、下界の暑さなど微塵も感じられない清々しさ。
今日も快晴、展望は言うこと無し大パノラマだ。 山の天気は晴れに限る。

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笠ヶ岳から抜戸岳さらに弓折岳までの岩稜がすぐ隣にあった。
その奥には双六岳、黒部五郎岳の姿も見られた。

南西には昨日登った白山も目にすることができ皆、感慨ひとしおであった。

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南を見れば活火山・焼岳の荒々しい山容、その後ろには所々に雪を残す
乗鞍岳が静かに横たわっていた。
東を見れば上高地の壁となる霞沢岳と六百山、真下には梓川と帝国ホテル。

重い荷物を担ぎ樹林帯を汗して登らなければならないが、ここまで来なければ
得られない清涼感、そして達成感、人は苦しくともまた山に登ることを拒まない。

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僕たちが目指す西穂独標までは小屋から展望の稜線を1時間30分。
朝の爽やかな空気を胸に壮大な北アルプスの峰々を望みつつ歩いた。

山に夏の終わりを告げる花トウヤクリンドウの彼方に西穂独標が見える。

すると、抜きつ抜かれつ僕たちと前後して歩く熟年グループがいた。
彼らの会話から長く山を登っている人たちだと推測できた。

ここは深山であるがロープウェイがあり熟年登山者でも独標までは容易に
登ることが出来る。 とても楽しそうに登られていたのが印象的だった。

スローライフと言うが、歳を重ねても自分の趣味に生きられたら最高だ。
西穂は交通の便利さ、小屋の快適さ、展望の良さ、すべてで合格点だった。

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プロフィール

杉浦直樹

Author:杉浦直樹
『自然塾』塾長の杉浦直樹です。
日本自然保護協会
自然観察指導員

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