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愉快な植物(2)

今回も私が日本のあちらこちらの山で見かけた愉快な植物を紹介します。

今年はたくさんの山に登りました。ツアーの本数も多かったけれど、
「自然塾」の観察会もこの10ヶ月間で33回も開催することができました。
ご参加くださったみなさん、有難うございました。
それでは愉快な植物の後半です。

6月は雨の季節、しとしと降り続く雨に気持ちまで滅入りがちですが
森では木々の花が咲き始める季節でもあります。
梅雨の晴れ間を見計らい富士を展望する御坂山塊の黒岳(1792m)に向った。
ミヤマザクラ、ミツバウツギ、オオツクバネウツギ、フジザクラなどが
咲いていた。そして、こんな花も見られた。
ハウチワカエデの実
これはハウチワカエデの花というか、翼を広げ始めた実です。
カエデの類は秋の紅葉ばかりが注目されるが新緑や花もなかなか美しい。
特にハウチワカエデの花は濃赤色で数もたくさんつけるため見栄えがする。

垂れ下がるひとつの花序に雄花と両性花をつける。したがって写真の
翼を広げ始めたものは両性花で、翼のない花は雄花である。

カエデの仲間にはハウチワカエデやイロハモミジのように雌雄同株もあれば
ウリハダカエデやウリカエデのように雌雄異株もある。
そして、面白いことに雌雄の異なる株は時に性転換をするらしい。
(う~ん、森にもニューハーフの波が)

毎年、6月は北海道の利尻島・礼文島の花ガイドをする。
「花の浮島」と言われるほど花の数は多いが、北海道は固有種が多くあり
案内には知識が求められる。

利尻山の北麓野営場から森に入るとオオナルコユリ、ツバメオモト、マイヅルソウ、
オオバナノエンレイソウ、ミヤマスミレなどたくさんの花と出会った。
さらに奥へ進むと、こんな奇妙な形をした葉が見られた。
オヒョウの葉
これはニレ科のオヒョウの木の葉っぱだ。
この木は中部地方でも見られるが主に北海道に多く見られる。
葉の先に特徴があり、葉先が3~9裂するのですぐに分かる。

樹皮が強靭なため、水に晒し細かく裂いて繊維を採る。
アイヌの人たちの織物アツシはこの木から作られる。

僕がこの木を初めて見たのは伊吹の北尾根だっと思うが、
葉の形の面白さに引かれ小さな葉を一枚拝借して手帳にはさんだ。
そんな事もすっかり忘れたある日、手帳を開くとカレーの匂いがした。
それはオヒョウの押し葉からだった。(手帳のポプリにいかがかな)

登る予定にしていた山は数日前の豪雨で林道が崩れ、通行止めとなった。
最近はゲリラ的な集中豪雨が多くなった。
止む無く場所をその近くの天生湿原に変えた。

春先はミズバショウやリュウキンカで埋まる湿原だが、果たして7月は
どんな花が見られるのだろうか。
駐車場から湿地に向う道のすぐ脇に、青草の中に紛れ込んだ緑の花があった。
クモキリソウ
これはラン科のクモキリソウ(雲切草)です。
一般にランの花は造形や色彩が芸術的で美しい花が多いが、控えめな花もある。
この手の仲間にはジガバチソウ、ジンバイソウ、トンボソウなどよく似た花が
たくさんあって識別が難しい。
しかし、クモキリソウは2枚の大きな葉を持ち、ふちは細かく波打つため分かり易い。
花は細い萼が3個、管状の側弁が2個、湾曲した唇弁が1個で構成されている。
さて、どれだか分かるかな?

同じく天生湿原です。一年の半分近くを雪に閉ざされる峠、除雪が済むのは5月末。
その奥に高層湿原があり、さらに奥にはブナやダケカンバの原生林があります。

カツラの大木を見上げ足下のサイハイランをカメラに収め、キョロキョロと
樹林内を進むと驚く光景に出くわした。
ショウキラン
これはショウキ様の冠の形に似た花をつけるショウキランです。
葉緑素を持たない腐生植物ですがラン科に属します。
同じ腐生植物のギンリョウソウはイチヤクソウ科に属します。

ショウキランは山で時々見かけるが、これほど1ヶ所に群生しているのを
見るのは初めてだった。

北海道・大雪山の花を見ようと思えば一日ではとても、とても足りない。
広大な面積に膨大な数の花々があるからだ。

種類も多いが、本州の山と違うのはひとつの花の群落が広範囲にあることだ。
今年は旭岳から登り間宮岳~北鎮岳~黒岳への縦走だった。
天気にも恵まれ上機嫌で歩いていると真綿をかぶったような木の芽に出会った。
エゾタカネヤナギ
これはエゾタカネヤナギの花穂と若葉です。
ヤナギといえば川沿いや湿地など水辺を連想するが、高山の乾燥した場所にも
ヤナギはちゃんと生えている。 これは北海道に生えるヤナギだ。

幹は地を這って伸び、芽出しのころはご覧のような長い綿毛に包まれている。
(寒いのはわかるが、そこまでやるか)

柳眉という言葉がある。ヤナギのように細く美しい眉を指すが、いくつかある
高山帯のヤナギの葉はどれも太く短い。
このエゾタカネヤナギの葉は秋に鮮やかな黄色へと変わり、ウラシマツツジの
赤と共に大雪山の紅葉を色取る。

今年の夏山は晴れの良い天気が長く続き高山植物をたくさん見ることが出来た。
合羽もほとんどザックの中で使われることが無かった。
しかし、一度だけお盆前に台風がやって来た。
「北岳から間ノ岳」のツアー中で縦走を断念、撤退を余儀なくされた。
下山に向け足早に稜線を歩いていると、何やら変な形をした物体が・・・・
(これはワサビ・ソフトクリームか)
チョウノスケソウ
いやいや、これはバラ科のチョウノスケソウの実(そう果)です。
葉の側脈はへこみ、緑色の小判のようにも見える。
他に似た葉をもつ植物はなく、すぐにチョウノスケソウと分かる。
花はチングルマ(バラ科)にも似るが花弁の数を見れば識別できる。

バラ科の花弁は普通5枚だが、チョウノスケソウの花弁は基本8枚である。
チョウノスケソウの学名にも8という意味の言葉が入るそうだ。

ねじれているのは花柱が伸びたもので一本一本にちゃんと種がついている。
さて、ねじれているのは何か意味があるのか?
未熟な種子を保護する防寒のため? 種子を飛ばすための風対策なのか?
本種の発見者、須川長之助さん教えて!!















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杉浦直樹

Author:杉浦直樹
『自然塾』塾長の杉浦直樹です。
日本自然保護協会
自然観察指導員

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