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涸沢カールの紅葉

穂高の涸沢へ紅葉を見に行くツアーが出た。 毎年、秋の恒例行事である。
どこの山頂を踏む訳でもなく、ただ涸沢カール内を巡る2泊3日のツアーだ。

澄んだ青空の下、雄々しくそびえる涸沢岳と涸沢槍をカールより仰ぎ見る。
今年は好天に恵まれはしたが・・・・、 紅葉は・・・・、

涸沢岳

自然環境の厳しい深山にあって紅葉が本当に綺麗なのは3~4日間だけ。
どんぴしゃりの日にはなかなか当たらないものだ。 

ご多分にもれず今年も紅葉のピークはすでに過ぎていた。(2014年10月10日)
今年はどこの山も紅葉が早かったようだ。

屏風ノ頭

本谷橋からは少々きつめの登り、ダケカンバとヒロハカツラの黄葉が目を引く。
やがて目の前に奥穂と前穂の吊尾根が現れ、涸沢ヒュッテの吹き流しを目にする。
この吹き流しでカール内の風向きや風速を目視する。

涸沢ヒュッテの手前、石段の登山道より後ろを振り返り屏風ノ頭を望む。
ナナカマドの葉は殆どが散り落ち、赤い実だけが秋空に取り残されていた。

前穂北尾根

涸沢へは2007年の秋から毎年出掛けており、今年で8年連続であった。
紅葉の当たり外れはあったがおおむね秋晴れの良き日に登ってきた。

アルピニストの誰もが一度は見たいと憧れる涸沢カールの紅葉。
氷河が削り出したすり鉢状の谷を山の草木が鮮やかに彩る。
白い冬を前に最後の力を振り絞り燃えるがごとき生命の輝きに見える。

僕もあと何年ここに足を運ぶことが出来て、この景色を見られるだろうか。
最近はそんなことを考えるようになった。

たぬき岩

前穂高岳の山頂から北東へ伸びる北尾根には8つのピークがある。
その6峰の北斜面に面白い岩を見ることが出来る。 通称「たぬき岩」だ。

カール側から見るとぽっこりお腹がよく目立ち、すぐにそれと分かる。
満月の夜、涸沢ヒュッテで寝ていると「しょ、しょ、しょじょじ、しょじょじの庭が」の
狸ばやしが聞こえてくるとか。

今週は6日に十三夜の満月、8日に皆既月食と天体ショーが続いていた。
さぞや狸も忙しかったことだろう。 「ご苦労さま!!

筋状のモヤ

涸沢カール内のパノラマコースを周遊してヒュッテに戻るとにわかに冷えてきた。
そして夕刻4時30分、カール内にひと筋のモヤが静かに立ち始めた。

涸沢ヒュッテと奥穂岩壁との間、それは白い竜が忍び寄るようなモヤだった。

展望テラス

夕食後の5時30分、そのモヤはヒュッテ周辺にも立ち込めて夕焼けを映し取り
茜色へと染まっていった。

ヒュッテの屋根へと張り出されたウッド・デッキ「展望テラス」に集う登山者たち。
涸沢ヒュッテの名物は「おでん」。 北穂の岩稜を眺めながらいただく生ビールと
温かなおでんは格別であり、登山者にとって至上のひと時だ。

ただ、夕陽が奥穂の稜線に姿を消すとカール内は急激に冷え込み、かなり寒い。
ダウンを着込んでの宴となる。

あかね色

陽が沈む西側は標高3190mの奥穂高岳の岩壁が立ち並ぶ涸沢では
すぐに日没がやってきて、なかなか夕景を楽しむ環境ではない。

しかしこの日、薄いモヤまでも染めた茜色の夕景はとても幻想的であった。

涸沢カールでの一大イベントは奥穂の岩壁が赤く染まるモルゲンロート(朝焼け)
を見ることで、幾度となく見てきたが夕焼けをしみじみ鑑賞した記憶はなかった。

穂高の月

毎年、紅葉時季の小屋は超過密状態、週末は1組の布団を3名で使うほどである。
夜中にトイレへ行って帰ってくると寝る場所がなくなっていると言う話はよくある。

睡眠不足となる紅葉ツアー、ガイドは百も承知でシュラフを持参して安眠を確保。

翌朝5時45分、月は奥穂高岳と涸沢岳の間にあった。

白出のコル

一晩中、穂高とたぬき岩を照らした月は間もなくその役割を終えようとしていた。

都会で見る月より山で見る月はひときわ美しいが、なぜか物寂しさを感じさせる。
周囲に人気や賑わいがないせいだろうか、 張り詰めた空気のせいだろうか。 
何はともあれ月は静寂の中で見るがいい。

6時9分、十三夜から4日目の月は穂高岳山荘が建つ白出のコルへと沈んでいった。
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こんばんは

紅葉と月きれいですねー!
実は携帯電話をなくしてしまって全ての知り合いの
電話番号が分からなくなってしまいました。
申し訳ありませんが一度ご連絡お願いします。
番号とメールアドレスは変わっていません。

No title

今回は臨場感あふれる描写でしたね。まるで自分が涸沢カールにいるような心持でした。夕暮れの空は誰もの心をうちますね。ましてや高山の上に清々しい月が出たとなればなおさらです。その月も朝になれば山の端に消えていく運命であれば一期一会の尊とさが身にしみます。おでんとビールで仲間とともにこの景色の中でいこえるのは最高ですね。一人静かに月を眺めるのもいいし・・・。
山の思い出をたくさん作ってください。
プロフィール

杉浦直樹

Author:杉浦直樹
『自然塾』塾長の杉浦直樹です。
日本自然保護協会
自然観察指導員

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